「ストレッチは最低でも15秒!」
ストレッチについての記事は当院でもいくつか掲載していますが、ストレッチには大きく分けると静的ストレッチと動的ストレッチがあり、やり方と目的も違います。今回はこの二つの違いと静的ストレッチの原理も踏まえてやり方と目的をご紹介していきます。
「原理ってなんだろうなぁ~」
<動的ストレッチ>
ラジオ体操やブラジル体操(よくサッカーなどで使われる)
(方法)
反動をつけ、動かしながら伸ばす。(注意点:速度と動作の大きさを制御する必要があります。無理な反動、急激に強い刺激をあたえると逆に筋肉が硬くなる可能性があるので無理な反動はつけないようにしてください)
(目的)
朝や体を動かすとき、スポーツのウォーミングアップに適しています。
<静的ストレッチ>
一般的にみなさんが思い浮かべるストレッチがこちらかと思います。
(方法)
反動や勢いをつけずにゆっくりと筋肉を伸ばし、最終的なポーズを一定時間キープする、もっとも一般的で安全なストレッチです。
(目的)
身体の柔軟性の維持と向上、関節可動域の改善と維持、ケガの予防、筋肉疲労の回復、
身体の痛みをやわらげる、心身をリラックスさせる、筋委縮(筋肉がやせること)の抑制
以前の記事でも他にも効果などは掲載しているので、さまざまな良い効果が望めるのは言うまでもありません。
そして、タイトルのストレッチは最低15秒についてですが、これは静的ストレッチを行うときです。
・静的ストレッチの原理
例としてふくらはぎを伸ばす際、筋肉の端はアキレス腱になっています。この腱にはゴルジ腱器官(腱紡錘)という張力を感知する器官があります。この器官の興奮度合いによって筋肉の緊張が変わります。これによって身体は守られています。
ストレッチをするとき、急な伸びに対して筋肉が縮むことで断裂をする危険性から守ってくれますが、持続的に長く伸ばす事により筋肉の感覚神経の反応を受けにくくなり筋肉の緊張は低下(弛緩)していきます。
これが静的ストレッチの原理です。よって15秒~30秒、最低でも15秒はストレッチのポーズをキープすることが大事なのです。
そして、呼吸も止めてはいけません。自律神経のうち、交感神経が優位だと筋肉が収縮し、副交感神経が優位だと筋肉が緩みます。
呼吸において、吸う時は交感神経が、吐く時は副交感神経が優位になるためしっかり吐くときに筋肉を伸ばすと、より伸びやすいとされているからです。
静的ストレッチのゴールデンタイム!
それは「入浴後か運動後がベスト!」
静的ストレッチは、寒い環境や体温が低い状態で行っても、筋肉が伸びにくいので効果が低いです。
ベストタイムは、体温が上昇している入浴後です。
40度のお湯に10~15分浸かると、全身の血管が拡張して血流がよくなり、体温が0.5~1.4度程度上昇します。
この状態で静的ストレッチを行えば、小さな負荷でも筋肉を十分に伸ばすことができます。
ストレッチといえば、運動前のウォーミングアップがイメージされるかもしれませんが、むしろ体温が上昇している運動後こそ、ストレッチが有効なのです。
では、みなさん入浴後にストレッチ15秒、この二つを抑えてご自宅のセルフケアに活かしてくだい!